ARTIST / アーティスト

ART PROGRAM /アートプログラム部門

金サジ Kim Sajik

金サジ

はたむんとからだはいま

芭蕉から繊維が取れることを発見した沖縄の人は生活にまつわる道具や衣類などを紡いできました。
生活のために反物を、親から子への贈物を、創作意欲から作品を、、、等等。
芭蕉布にはそれぞれ作り手の個性も現れますが、同時にそれぞれの作る理由が在りました。
この技術は大戦の際に一時衰退したものの、復興され、今に至ります。
今では国の重要無形文化財に指定されている芭蕉布ですが、この布には大宜味村における人と人との関係性が技術と共に織り紡がれているように感じています。
過去、むかし、現在も変わらず、芭蕉布を通じて繋がっていく人と人との関係性。
生きる身体に芭蕉布が重ねられた時に浮かび上がってきたのは、個々の繋げてきた人々の記憶であり、未来でもあると感じました。
私は、彼女たちの美しさに祝福を願うばかりです。

PROFILE / プロフィール

金サジ

金サジ Kim Sajik

PROFILE

自身のコリアンディアスポラの身体的、精神的アイデンティティの「揺らぎ」をきっかけとして活動をはじめる。 写真家として活動しながら、活動の一環として、韓国舞踊家、金一志の下に師事。 韓国伝統芸能を学びながら、ディアスポラに代々継承されていく歴史・民族精神のトラウマから生まれる新たな可能性を探っている。 現在、ロシアのサハリンのリサーチを日本サハリン協会等の協力を得ながら継続中。 株式会社赤々舎から写真集「物語」を出版。 2016年度キヤノン写真新世紀グランプリ、令和3年度京都府文化賞奨励賞受賞。

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